まんたまシルバー

無駄にヲタクな、しろがねえいじの日記。 濃い話題なども飛び出すので、一見さんは要注意☆

超久しぶりにイベント参加します。 5月12日 コミックシティ大阪94 5号館 ウ-50b 『しるべらげ』

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『宇宙特捜デカマスター』第一話・後編

昔なじみのツレ達と、本日久々に会いました。

いろいろ話して、有意義な時間でございましたよ♪

あと、デカマスター小説も楽しみにしてもらえてるみたいで、
こちらとしても嬉しい限りです。

しろがねえいじです、こんばんは。


日曜日に更新できませんでしたが、
『宇宙特捜デカマスター』第一話・後編いきます。

どうぞ、お楽しみください。





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『第一話 襲来!流浪の侵略軍!!・後編』


犯罪結社ジャドー要塞内部。

幹部達が一同に介し、数時間前と同じように侵攻指針を決める会議を行っていた。

「なるほどな、犯罪者を支援する代わりに、情報提供をさせ、
 並びにゲリラ戦闘も代行させ、こちらの全貌を掴ませない計画か。

 即興策としては、なかなかと言えるだろうな。」

首領であるアンバーの提案を受けて、鎧武者マドーが素直に賞賛した。

《お褒めに預かり光栄だ。無論、それで策は終わりではない。
 諸君にも働いてもらう事にはなるだろうが、それはもう少し先になる。

 各自、思い思いに己が軍団の下準備に取り掛かってくれ。
 しばらくすれば、地球で潜伏している宇宙商人からも接触があろう。》

その言葉を受けて、各幹部は解散する様子を見せる。



一方、地球に赴任したばかりのドギー=クルーガーは、まさに現在
ジャドーの手が掛かっている犯罪者と対峙している最中であった。

無論、全知全能ではない身であるが故に、ドギーには知る由もない。

それは対峙相手であるカラードもそうである。

宇宙刑事は3年前の1985年を機に、大きな事件は落着したと見なした宇宙警察機構が
地球から撤退したのを機に、実力者は派遣されていないとの噂が、アンダーグラウンドで囁かれていたからだ。

だが、『鬼の居ぬ間に洗濯』を見込んで来ていると思われる犯罪者が
宇宙刑事である自分を見ても、怖気づいている気配はない。

それは背後に控えている数十体の機械兵をあてにしての事であろう。

武力に頼る者は、えてして拠り所を失うと、なんとか助かろうと饒舌になる。

これ以上、睨み合いを続ける気がないドギーは
そうして泥を吐かせようと、膠着状態から一歩を踏み出した。

「やれ!!」

カラードも拳銃で牽制しながら、配下の機械兵に突貫を命じる。

銃を撃つ物、空へジャンプし上から攻める物、正面から当たってくる物、
ドギーの背後へ回る物、それぞれが己れの持つ戦略パターンから
思い思いの行動を執る。

通常ならば絶体絶命だ。

しかし。

「はッ!」

光が横に一閃したかに見えた次の瞬間、突進してきた機械兵が一体倒れた。

先ほどの徒手空拳での闘いとは違い、
今のドギーの手には、歴戦を共に潜り抜けてきた愛刀ベガが握られている。

続けざまに縦、袈裟、逆袈裟に何回も斬りつける。

一閃する度に一体が倒れ、辺りに機械兵を構成している
様々な部品が散らばっていく。

味方に当たることも構わずに撃っているカラードの銃弾も、
ドギーは敵を盾にし、斬った敵の体の部品で弾き、ベガの刀身を当てる事で防いだ。

のみならず、防いだ弾を兆弾させ、機械兵の額に当てるなどして、
機能を停止させ、瞬く間に数を減らしていく。

「な、なにぃ!?」

それを見て、正気でいられなくなりつつあるのは、カラードである。

大枚を叩(はた)いて購入した機械兵が全く役に立たず、
一撃で葬られていく上に、苦もなく銃弾を防ぐのだ。

埒が開かないと、懐から特殊警棒を取り出す。

本来は護身用の物だが、違法改造を重ねて殺人も容易なほどの
デンジ波を帯びさせる事が可能な、危険な代物である。

カラードはそれのスイッチを入れて
警棒に凄まじいまでの帯電をさせると、自らも突進した。

だが、それこそドギーの思うツボである。

たとえ武器が危険な物であったとしても、扱うのは素人。
銀河一刀流の達人に刀状の得物で対し、無事で居られる筈がないのだ。

案の定、いともたやすく刀身を斬り裂かれ、一撃を加えようとするも
空振りで終わる。

バランスを崩して前のめりに転倒したカラードの咽喉下に
ベガの先端が突きつけられる。

「観念するんだな。おとなしく手を差し出し、縛に就け。
 さもなくば、腕か足の1、2本を覚悟してもらう事になる。」

興奮状態も手伝って、息を上げているカラードと対照的に
あれだけの敵を斬ったドギーは、平常そのものである。

周囲を見渡すと、あれだけ居た機械兵は一体残らず切り捨てられていた。

おとなしくなったカラードを見て、諦めたものと思ったクルーガーは、
ベルトのバックルを兼ねている前面部の留め金を外し、
特殊合金製の手錠を取り出した。

その間も油断なく刀を突きつけていたが、
不意に相手から不気味な笑い声が響きだし、手錠を取り出す手を止める。

「なにが可笑しい。」

ドギーが声のトーンを一段低くして、問いただす。

すると、それまで地面に顔を向けていたカラードが、
真正面から睨み返してきた。

「油断大敵って知ってるか?」

言うが早いか、カラードは左手をコートの内側に突っ込み、
そこから何かを取り出し、スイッチを押す。

次の瞬間、周囲は黒く丸い霧状のなにかが
あっと言う間もなく二人を覆ってしまった。

本来ならば両手の返し技で道具の使用を防げたドギーだが、
片手が手錠を持っていた為に、テンポが一瞬遅れ、反応しきれないまま
その名状しがたい霧に巻き込まれてしまった。

(体の自由が利かん!!)

ベガを握る手も、全身も、全く動かなくなってしまう。

「何をした、カラード!!」

それには言葉で返答をせず、カラードは見る者の神経を逆撫でるような薄ら笑いを見せる。

そして霧は一定の大きさまで成長すると、今度は逆に小さくなり、
二人を巻き込んだまま、その場から掻き消えてしまった。






一方その頃、停止させた機械兵を取り押さえ、
宇宙で待機するスワンの居るベースに転送を終えたチョウさんは、
打ち合わせ後に戻ったスワンと通信し、状況を報告していた。

【困ります、チョウさん。
 独断で走られては二人のサポートである私が何もできません。】

「すまん、ひよっこの実力が早く見たくて、つい、な。
 この通り謝るから、今回だけは許してくれ。」

そう言うと、チョウさんは向こうから見えるわけでもないのに、
手に持った通信装置を兼ねるライセンスに向かってお辞儀をする。

周囲に他人の目がないから良いものの、見られていたら
かなり奇異の目で見られていたことだろう。

【仕方ないですね。今回は大先輩の顔に免じます。
 何はともあれ、お仕事お疲れ様でした。】

最初からあまり咎めるつもりのなかったスワンは、あっさりと赦した。

現場の二人が無事ならば、どのような手段を用いても良いのが、彼女の持論である。

「それで、ひよっこの位置は追尾できてるのか?」

走ってドギーの後を追っているチョウさんが、確認するように問う。

【はい。どうやら何者かと闘っている様子ですが、変身して難を逃れたようです。
 今は膠着状態なのか、決着がついたのか、動きはないようですね。】

「そうか、それなら良いんだ。」

一人で行かせたものの、やはり装置も持たないまま行かせたのは
早まったかもしれないと危惧していたチョウさんは、
スワンの一言で胸を撫で下ろす。

このまま捕縛した機械兵から情報が吸い出せれば良し、
無理だったとしても、現場の雰囲気を学び取ってもらえれば上々。

あとは、場慣れして、行く行くは犯罪者の市場を一網打尽にできる
人材に育てる。

それが地球赴任の後輩たちに対する自分の役割だと、思っていた。

【あら?】

そこまで思い至った後、通信機から、スワンの怪訝そうな声色が響いてくる。

「どうした?」

そこから嫌な予感を感じ取り、足を速めながら問いかける。

【いえ、なにか検出できない磁場が発生したようで…。
 えッ、まさかこれは…!?】

スワンは半分悲鳴のような声を上げた。

画面上には、宇宙中で使えるものは皆無に等しいと思われている
人為的な念動製磁場が検出されていた。

「スワン、一番近道になるルートを言え!
 あと、ひよっこまでは何メートルほどだ!?」

いつでもフォローに回れるよう、チョウさんが懐から
光線銃を出せるように準備する。

もはや体勢は全力疾走に近くなっていた。

【そのまままっすぐです!そうして最初の角を曲がれば、あと10メートル!】

チョウさんの怒声に近い大声に自然と釣られ、スワンも大声を張り上げる。

そして曲がった10メートル先の場所を見た時、チョウさんが目にしたものは、
まさにドギーが黒い霧状のものに吸い込まれる瞬間だった。

「クルーガー!!」

チョウさんの叫びも虚しく、ドギーはその場から消えた。








歪んだ空間を移動している最中、何度も頭を振られ、
強靭な肉体を持つドギーも、さすがに意識を何度か失いかけた。

「くッ!」

だが、持ち前の鋼の意思でそのつど耐え抜き、
なんとか、手頃な地面に着地する。

状況の確認と、カラードを目視する為、周囲を見渡す。

その目に映ったものは、凄まじい勢いで流れるエネルギーの奔流と、
歪んだ状態で映し出された様々な惑星や、建築物だった。

「これはまさか…マクー空間か!?」

ドギーは周囲の異常な風景を見て、自分が思い至った結論を、
自身で否定したかった。

マクー空間は、宇宙刑事ギャバンが戦った宇宙犯罪組織・マクーの
首領ドン=ホラーの念動力で開かれる、異次元空間である。

擬似的なブラックホールを作り、
自分達に最も有効な戦闘フィールドを展開する絶技だが、
それは凄まじい念動力を持つ者にしか使えなかったハズである。

それゆえに現在では使えるものは少ないだろうと思われていたのだが。

(…それを、あの犯罪者が作ったというのか?)

そうは思えない。

そのような素振りは見られなかったし、直前に何か道具を取り出すのが見えた。

原理こそ不明だが、おそらく、それでマクー空間に似た
異次元フィールドを展開したのだろう。

ますます相手を逃がす理由が無くなり、
ドギーとしては兜の緒を締め直す気分だった。

〔どこを見てやがる!〕

直後、カラードの声がどこからともなく響き、
ドギーの体を目掛けて凶弾が放たれた。

さきほど不覚をとってより、敵の攻撃パターンを覚えていたので、
これは苦もなく防げた。

「随分と不意打ちが好きなようだな、カラード?」

さして気にも留めていない口ぶりでドギーが銃弾の飛んできた方を向く。

そこには何十倍もの大きさで映し出されたカラードが居た。

だが、驚くにはあたらない。

その現象が起きることはすでに報告済みで、ドギーの知るところであったし、
なにより実際にその大きさになったわけではないのは、
先ほどの銃弾が物語っている。

〔…ふん、対して驚いてねえようだな。

 機械兵も無表情で壊しまくるし、
 つくづく道具の使い甲斐がないやろうだぜ。〕

「貴様を愉しませる義務など、オレにはない。

 …それより、この空間は何だ?
 お前にマクー空間のような異次元を生じさせる技などなかろう。

 状況を詳しく説明してもらおうか。」

それに対して、カラードは小馬鹿にしたように鼻で笑い、
説明する気など無いと言わんばかりに、頭を左右に振った。

〔確かにマクー空間と似てるが、厳密には違うものさ。
 これ以上は教えてやる義理はねぇな。〕

「…だろうな。ならば、後ほどゆっくり訊くまでだ。」

元から答えなど期待していなかったドギーは、
ベガを両手で持ってから縦に構えなおし、その場で不動の姿勢を執る。

〔正気か、デカさんよ!
 この場で刀一本で何ができるって言うんだ!

 デカいロボットでもない限り、オレは倒せないぜ?

 さっさと尻尾巻いて逃げた方が良いんじゃねぇか、
 警察の走狗(イヌ)らしくよ!〕

ドギーをアヌビス星人と知らないカラードが、期せずして
彼らにとって最大限の侮辱である言葉を口にする。

正義感の強いアヌビス星人にとっては、
信念の無いまま使われる走狗(イヌ)扱いは耐え難い屈辱だった。

だが、その罵詈雑言にも等しい言葉を受けても、ドギーは激昂などしない。

自分の信念を貫くためには、耐え難きを耐え、
心を明鏡止水に保つのが銀河一刀流の教えであるがゆえだ。

「…それは貴様だろう。

 何者かの都合に踊らされているともしらず、
 大言壮語を吐き、自分が大物になった勘違いをしているのだからな。

 怖いのなら、犯罪に手を染める臆病者らしく、
 さっさとこの場から逃げ帰ったらどうだ?」

そして水鏡に保たれた心は、相手の言葉をそのまま跳ね返し、
相手の心を抉る刃と化した。

案の定、そのように言い返されると分かっていても、
カラードは容易く激昂した。

〔じゃあ、その体勢のまま、間抜けな死に様をさらしやがれ!〕

挑発して攻撃させる賭けに、ドギーは勝った。

上から、カラードの巨大な拳撃と脚蹴が複数振り下ろされるのと、
銃弾がどこからともなく放たれる音が、聴こえてきた。

だが、それらはまやかしである。

本物の攻撃はその陰に隠れ、カラード本人の本性の如く、狡猾な手段で迫っているのだ。

あくまでも、静かな心で、惑わされることなく、実体を斬る。

幻がドギーの体をすり抜け、何の被害も及ぼさずに掻き消えていく。






そして、一閃。






「ぐおぉ…!!!!痛ぇ!痛ぇ…ッ!!畜生…」

左手を斬りつけられ、先刻のドギーの宣言通り失うこととなってしまったカラードが、
巨体から通常のサイズに戻り、地面上でのた打ち回った。

冷静になられ、逃げ帰られるのが、この場合の最悪のパターンであった。

おそらく自分の後を追ってきているチョウさんと、カラードが万一にも遭遇した場合、
スーツを至急されていないチョウさんは、危険に曝されただろう。

そうなっては、脱出に手間取るドギーでは、助ける事ができず、
最悪、チョウさんを殉職させてしまっていたかもしれない。

捜査には不慣れではあっても、戦闘面に関しては正に面目躍如であった。

また、ドギーは転がってきた異空間の発生装置を油断なく拾い上げると、
空間展開の解除スイッチを押してから、
スーツ内に用意されている収納スペースへ電送し、その場から消してしまう。

これで、後は脱出するのみ。

場が崩壊するまで、空間の振動具合から見て、残り数十秒程度と思われた。

通常なら、これで観念するところだが、カラードはそうしなかった。

「舐めるな、畜生!この空間の主はオレだ!」

言うと同時に、カラードは背景に溶け込むように姿を消す。
残されたわずかな時間での逆転を狙って、隙を見出さんとしているのだろう。

スーツ内部でドギーは瞑目し、ベガを右手に携えたまま神経を再度、全方向に集中する。

上下前後左右すべてだ。

嵐のような気配だらけのここで、わずかな乱れも逃さない。
次に相手が牙を向けてきた瞬間、完全に無力化する。

そして、左方向から歪んだ気配が伝わり、こちらに迫ってきていた。

ドギーはそれに対してベストのタイミングでベガを振り下ろす。

(良し!!)

当てた。

そう確信した。

そのつもりだった。

しかし。

凄まじい咆哮を挙げて逼迫したカラードは、稲妻の速さで自身に振り下ろされた
峰打ちを、神業のごときタイミングでかわしたのだ。

「!!」

断じて剣先が鈍かったのではない。

恐るべきは、追い詰められた者の執念である。

カラードの決死の体当たりが功を奏し、ドギーへの組つきを成功する。
寝技に持ち込み、傍目で見る者が居たならば逆転なるかと思われる勢いであった。

しかし、そこで異空間の使用時間限界が来る。

カラードの自身の崩壊を象徴するように、周囲の景色が消滅していくと、
二人は互いに優位に立たんと、車輪の如く回り出す。

そして、空間が黒く、『無』の状態になるのと呼応するかのように、
姿をその場から消すと、戦いの舞台を再度地上へと移すのであった。




「スワン、ひよっこの野郎からは連絡は?」

地上では、依然として行方知れずのドギーを探し、
スワンとチョウさんが、混乱しつつも、
なんとかトレースせんと懸命の活動を続けていた。

【依然としてありません。レーダーの反応では、チョウさんから
 直線距離にして数十メートル程度しか離れていないようですが…。

 …あ!?】

突然、スワンの手元のレーダーが反応し、
ドギーがチョウさんのすぐ近くまで戻ってきたのが表示された。

無論、スワンからそれをすぐさま伝えられた瞬間、
チョウさんは今度こそ加勢せんと、その場に向かって走り出した。




異空間から放り出された二人は、揉み合いながらも、しばらく転がり続ける。

離れた瞬間、カラードは残った右手で銃を乱射するも、
ドギーは何の苦もなく、ベガで叩き落す。

「安心しろ、殺しはしない。
 貴様には吐いてもらう事が山ほどある。」

もはや怯えていると言っても過言ではない相手に対し、諭すようにドギーは言うと、
呼吸を静かに整え、右手に持つソード・ベガを
満月の形にするべく時計回しに回転させていく。

左手はそれには添えず、反対で別の満月を描いていた。

両方を同時に一転させ終わると、柄を両手で持ち直し、身をかがめた。

「ベガ・スラッシュ!!」

気迫を込めると、ドギーの体が闘気に包まれ前に進んで行く。

走ることで乱れる角度を、全く損ねることなく、
自在に相手を斬りつけられる、銀河一刀流の奥義だった。

使えるものは、銀河広しといえども、免許皆伝となった者・数名のみ。

そして技が当たったことを証明するかのような、
凛とした金属音がその場に響くと、辺りは一瞬、静寂に包まれた。

対峙相手の横を、疾風よろしく通り抜けたクルーガーは、
数メートル過ぎた後、斬りつけた姿勢のまま、その場に留まる。

その背後では、断末魔の悲鳴とともに、横一文字に斬りつけられたカラードが、
凄まじい光に包まれ、眩いばかりに輝いていた。

だが、次第に光は収束していき、やがて落ち着いた後、その場には一つの石が転がっていた。

殺したわけではない。

圧縮命石法という、犯罪者を小さな石にしてしまう宇宙警察の特殊な逮捕術だった。

これを使うことで、広さに限りのある宇宙船で活動する遠征組の刑事達は、
無数の犯罪者を逮捕しても、自分のスペースを有効利用する事ができるのである。

「…反省房で悔い改めて、真っ当になって帰ってくるがいい。
 これにて一件、コンプリート、だな。

 こちらクルーガー。通信が聴こえていたら、誰か応答願う。」

耳にあるスイッチを押し、ラグランジュポイントのベースキャンプで
ステルス装置を発生させて待機しているスワンに、ドギーは連絡を取り始めた。




その様子を見ていた者がいる。

全身おどろおどろしい紫装束を身にまとい、それに勝るとも劣らない
醜悪な黄金色の装飾を身にまとった異星人だ。

顔は地球人からは程遠く、獣とも、機械とも取れない独特の容姿をしており、
無数の傷が刻まれるそこからは、戦場の前線にも仕入れをしている様子が伺えた。

この者こそ、犯罪結社ジャドー並びに、
犯罪者全般に商品を売りつける死の商人である。

死のイメージを助長するかのように、着込んでいる黒いマントが風にはためき、
見るもの全てに不吉なイメージを抱かせる。

(宇宙刑事は不在だというから、この惑星に来たのだがな…。認識が甘かったか。
 ジャドーの連中にも知らせてやるとして、さて…オレはどう動くかな?)

考え込む様子を一瞬しぐさで見せたが、すぐに考えがまとまったようで
足を動かし始める。

(なんにせよ、下準備はしておくとするか。) 

黒いマントを腕で翻すと、影の中に商人は消えていった。





一方、宇宙上に浮かぶDクルーザー内でやきもきしているスワンは、
ようやくパートナーの無事である旨を伝える通信を聞き、
胸をなでおろしていた。

【…こちらクルーガー。通信が聴こえていたら、誰か応答願う。】

「ドギー!無事だったのね!」

【もちろんだ。赴任初日で殉職では、カッコがつかんからな。】

「…よかった~~…。心配したのよ、もう。」

心配を掛けたことを、心から丁重にわびると、
ドギーは事件の顛末を簡潔に報告し出した。

【すまなかったな。犯人は圧縮逮捕した。後で渡すとしよう。
 …ところで、ひとつ気になることが少しある。】

「ええ…なに?」

重い調子で報告するドギーの声色を聞き、スワンも姿勢を正して聞きなおす。

【うむ…。逮捕したこいつ、事前情報では後ろ盾はないというハズだが、
 多数の機械兵士を操り、何者かとの協力関係を伺わせた。

 金の掛かる機械兵を、一個人が操れたのが、どうにも解せん。
 宇宙の商人が動いていないか、裏のマーケットを少し調べておいてくれないか?】

「了解。なんにしても、いきなりの実戦で疲れたでしょ。
 今日のところはゆっくり休んでちょうだい。」

現場で働けない分、事後処理はスワンの担当だ。
お手の物とばかりに、二つ返事よろしく、ドギーの申請を引き受けた。

【ああ…頼む。 ん?

 どうやら、チョウさんが来たようだ。合流して帰還するとしよう。】

一転して、現場には言葉どおり、チョウさんが喜色満面といった感じで
駆け寄ってくる。

加勢できなかった事に対しては残念そうだったが、
無事だった後輩を心から祝福しているようだ。

そうした顔を見せた上で、ねぎらうようにドギーの肩を強く叩いてきている。

「やったじゃねぇか、ひよっこ!さっそくのお手柄だな?」

その様子を見て、ドギーは武装解除し、地球人姿へと戻った。
チョウさんにつられて、その顔には笑みも浮かんでいる。

自分に対する呼称がひよっこに戻っていたが、もはやそれは気にならない。
ひとつの現場を共に潜り抜けた相棒同士の意思疎通があったのだ。

呼び方などは、互いが信頼関係を築けていれば、些細な問題でしかないのだ。

「とんでもない、チョウさんのフォローがあったればこそです。」

照れ笑いを浮かべながらも、ドギーは背筋を伸ばして答える。

「なんにせよ一件落着だ。おう、これからお前、予定はあるのか?」

肩を組まれて問いかけられ、怪訝な顔をしつつもドギーは正直に答える。

「いや、報告書も作成せねばなりませんし、このまま帰るつもりでいましたが。」

「若いうちから、そんな事でどうする!来い!
 地球式・夜のすごし方ってヤツを教えてやる!」

言うが早いか、チョウさんは歩き出す。

もう彼の頭の中には、晩酌を何にするのかでいっぱいの様子だ。

「いや、酒はあまり呑めない方で…。おい、なんとか言ってくれスワン!」

【それも任務よ、頑張ってねドギー♪
 あ、でも帰ったら報告書はちゃんと上げてよ?】

無情にも激励された。

「スワン!!」

悲鳴と遠吠えが夕焼けにこだましたが、助け舟を出してくれる者は、残念ながら居なかった。



【クライムファイル報告書・001】

 ゲド星人カラード。

 違法機械兵所持罪、並びに、それを使った騒乱罪。
 
 圧縮命石法にて、緊急逮捕。
 以後の判断を宇宙警察機構・刑事長ヌマ=オーに委ねる。

     地球赴任担当 5代目宇宙刑事・ドギー=クルーガー


~第一話・完。第二話につづく~








~スワンさんのエンディング解説~

「デカクルーガーの装備は、Dメタルを利用したDスーツよ。

 将来の量産を見越して、優秀な刑事に与えられた先行量産スーツで、
 全部で100着ほど作られたの。

 ただ、ドギーの地球任務は極秘だから、彼の装備は公式に存在してない事になってて、
 書類上は99体が生産されたのみってなってるの。

 だから、宇宙全体では、まだ知られてない地球の数字で胸部に100ってあしらったの。

 オシャレでしょ?

 伸縮性に優れ、あらゆる攻撃に耐性もある、まさに万能の鎧って感じね。

 地球に赴任した、歴代の宇宙刑事が装備してたコンバットスーツとは      
 見た目からだいぶ違うけど、能力的には劣るものではないのよ~?

 武装を取り外しただけで、同じくらい優秀なんだから!

 ただ、ポテンシャルが高いだけに、装着できる人間を選んでしまうのよね…。
 万人が着用可能に改良するのが、今後の課題かしら。

 一緒に頑張りましょうね、ドギー♪」

「…ついでに、酒を解毒する機能もつけてくれるか、スワン…。」

お酒は二十歳を過ぎてから。
節度を持って、楽しく飲みましょう。 BY 宇宙警察機構


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

これで、第一話は終了です。

読んでいただいてありがとうございました。

エンディングでスワンさんがやっている解説は
デカレンジャーのエンディング解説を踏襲し、やってみました。

本編中で解説できない事も、これで補っていけるのが
利点となりそうなので、なんだか良さげ。

今後も期待されている限り、頑張っていこうと思います。

では、また~
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  1. 2007/04/15(日) 22:25:50|
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